目次
1. 製品概要
LTP-2557JDは、文字や記号の表示を目的とした、シングルプレーン構造の5x7ドットマトリクスLED表示モジュールです。その主な機能は、英数字や単純なグラフィカル情報を必要とする様々な電子アプリケーションにおいて、明確で信頼性の高い視覚出力を提供することです。
1.1 中核的な利点とターゲット市場
本デバイスは、産業用、商業用、計測機器アプリケーションに適した、いくつかの重要な利点を提供します。低消費電力は、バッテリー駆動や省エネルギー設計において大きなメリットです。ソリッドステート構造により、可動部品やフィラメントがないため、高い信頼性と長い動作寿命が保証されます。シングルプレーン設計による広い視野角は、様々な位置から明確な視認性を可能にし、ユーザーインターフェースや状態表示器にとって重要です。本デバイスは光度で分類されており、生産ロット間で輝度の一貫性を提供します。標準的な文字コード(ASCIIおよびEBCDIC)との互換性と、水平方向に積み重ね可能な能力により、複数文字表示や単純なグラフィックの作成に汎用性があります。ターゲット市場には、POS端末、産業用制御パネル、試験・測定機器、医療機器、および堅牢でシンプルな文字表示を必要とするあらゆるアプリケーションが含まれます。
2. 技術仕様の詳細分析
以下のセクションでは、データシートに定義されているデバイスの主要な技術パラメータについて、詳細かつ客観的な分析を提供します。
2.1 測光および光学的特性
本表示器は、AlInGaP(アルミニウムインジウムガリウムリン)高効率赤色LEDチップを採用しています。この半導体材料は、赤色から琥珀色のスペクトルにおいて高い発光効率と良好な性能で知られています。チップは、不透明なGaAs(ガリウムヒ素)基板上に形成されています。パッケージは、コントラストと可読性を高めるグレーの表面と白いドットを特徴としています。
- 平均光度(IV)):ピーク電流(Ip)32mA、デューティサイクル1/16で駆動した場合、最小1300 µcdから標準3000 µcdの範囲です。このパラメータは、点灯したドットの知覚される明るさを定義します。
- ピーク発光波長(λp)):標準656 nm。これは、光出力が最大となる波長です。
- 主波長(λd)):標準640 nm。これは、人間の目が知覚する色(飽和した赤色)を最もよく表す単一波長です。
- スペクトル半値幅(Δλ)):標準22 nm。これは、発光のスペクトル純度または帯域幅を示します。値が小さいほど、より単色性の高い出力であることを意味します。
- 光度マッチング比(IV-m)):最大2:1。これは、アレイ内で最も明るいドットと最も暗いドットとの間で許容される最大比率を指定し、均一な外観を保証します。
2.2 電気的特性
電気的特性は、デバイスの動作境界と条件を定義します。
- ドットあたり順方向電圧(VF)):順方向電流(IF)20mAにおいて、標準2.6V、最大2.6V。これは、LEDが導通しているときの両端の電圧降下です。
- ドットあたり逆方向電流(IR)):逆方向電圧(VR)5Vにおいて、最大100 µA。これは、LEDが逆バイアスされたときに流れるわずかなリーク電流です。
- ドットあたり平均順方向電流:25°Cにおいて最大13 mA。これは、信頼性の高い動作のための推奨連続DC電流です。
- ドットあたりピーク順方向電流:最大90 mA。これは、絶対最大瞬間電流であり、通常はパルス動作に関連します。
2.3 絶対最大定格と熱的考慮事項
これらの定格は、永久的な損傷が発生する可能性のあるストレスの限界を定義します。これらの限界を超えた動作は推奨されません。
- ドットあたり平均消費電力:最大33 mW。
- 動作温度範囲:-35°C から +85°C。デバイスは、この周囲温度範囲内で機能するように設計されています。
- 保存温度範囲:-35°C から +85°C。
- 電流ディレーティング:平均順方向電流は、周囲温度の上昇に伴い、25°Cでの13 mAから0.17 mA/°Cで線形にディレーティングする必要があります。これは、熱管理と過熱防止にとって重要です。
- はんだ付け温度:はんだ付け中、シーティングプレーンから1/16インチ(約1.6mm)下のポイントで、260°Cを3秒間耐えることができます。
3. 機械的およびパッケージ情報
3.1 物理的寸法
本デバイスのマトリクス表示高さは2.0インチ(50.80 mm)です。パッケージ寸法はデータシートに記載されており、すべての測定値はミリメートル単位です。特に指定がない限り、公差は通常±0.25 mmです。正確な外形、ピン間隔、および全体のフットプリントは、PCB(プリント回路基板)レイアウトと機械的統合にとって重要です。
3.2 ピン接続と内部回路
本表示器は14ピン構成です。ピン配置は以下の通りです:ピン1:アノード行5、ピン2:アノード行7、ピン3:カソード列2、ピン4:カソード列3、ピン5:アノード行4、ピン6:カソード列5、ピン7:アノード行6、ピン8:アノード行3、ピン9:アノード行1、ピン10:カソード列4、ピン11:カソード列3(注:機能重複、データシートの注記上の考慮事項と思われます)、ピン12:アノード行4(重複)、ピン13:カソード列1、ピン14:アノード行2。
内部回路図は、標準的なコモンカソードマトリクス構成を示しています。列はカソードに接続され、行はアノードに接続されています。この構造により、マルチプレクシングが可能となり、任意の瞬間に単一のドット(通電された行とグランドされた列の交点)が点灯します。行と列を高速で走査することにより、残像効果によって安定した文字が表示されているかのような錯覚が生まれます。
4. アプリケーションガイドラインと設計上の考慮事項
4.1 表示器の駆動
5x7マトリクスを動作させるには、マルチプレクシング駆動回路が必要です。これには通常、マイクロコントローラまたは専用の表示駆動ICが関与します。駆動回路は、各行(アノード)を順次アクティブにしながら、その行に対する適切な列(カソード)データを提供する必要があります。光度の試験条件で言及されているドットあたりピーク電流(Ip)32mAは、低デューティサイクル(1/16)でのパルス動作によって達成されます。ドットあたりの平均電流は、定格13 mA以内に保たなければなりません。例えば、1/8デューティサイクルで駆動する場合、平均13 mAを達成するにはピークパルス電流が約104 mA必要となり、これは90 mAのピーク定格を超えます。したがって、デューティサイクルとピーク電流の慎重な計算が不可欠です。通常、各列または各行ラインに直列の電流制限抵抗を設けて、電流を正確に設定します。
4.2 熱管理とはんだ付け
絶対最大定格の遵守が最も重要です。デバイスが高温の周囲温度で動作する場合は、電流ディレーティング曲線に従う必要があります。PCB組立時には、プラスチックパッケージや内部ワイヤボンディングの損傷を避けるため、指定されたはんだ付けプロファイル(260°C、3秒間)を超えてはなりません。十分な銅面積を持つ適切なPCBレイアウトは、特に複数のドットが長時間同時に点灯する場合に、放熱を助けることができます。
4.3 複数文字表示のための積み重ね
データシートには、本デバイスが水平方向に積み重ね可能であると記載されています。これは、複数のユニットを並べて配置することで、より長いメッセージを形成できることを意味します。実際には、モジュールを整列させるための慎重なPCB設計と、増加した行と列の数に対応できる駆動回路(例えば、2つのモジュールの場合、行は7のままですが、列は10になります)が必要です。駆動ソフトウェアは、拡張された表示バッファをそれに応じて管理しなければなりません。
5. 性能曲線分析
データシートでは、典型的な電気的・光学的特性曲線が参照されています。具体的なグラフは本文には提供されていませんが、このようなデバイスの標準的な曲線には通常、以下が含まれます:
- 順方向電流 vs. 順方向電圧(IF-VF曲線):指数関数的関係を示し、駆動回路の設計と適切な電流制限抵抗値の選択に重要です。
- 光度 vs. 順方向電流(IV-IF曲線):光出力が電流とともにどのように増加するかを示し、効率低下が起こる前の動作範囲内ではほぼ線形関係にあります。
- 光度 vs. 周囲温度:接合温度の上昇に伴う光出力の低下を示し、熱管理の重要性を強調しています。
- スペクトル分布:相対強度と波長の関係を示すプロットで、約656 nmでのピークとスペクトル幅を示します。
6. 技術比較と差別化
GaAsP(ガリウムヒ素リン)赤色LEDのような旧来の技術と比較して、LTP-2557JDで使用されているAlInGaP技術は、はるかに高い発光効率を提供し、同じ入力電流に対してより明るい出力をもたらします。グレー面/白ドットパッケージは、全面赤色や全面クリアのパッケージよりも優れたコントラストを提供し、特に周囲光が強い条件下で有効です。2.0インチの文字高さは、中距離視認性のための標準サイズであり、コンパクトデバイスで使用される多くの0.56インチや1インチモジュールよりも大きく、表示器を数フィート離れた場所から読む必要があるアプリケーションに適しています。
7. よくある質問(技術パラメータに基づく)
Q: マルチプレクシングせずに、一定のDC電流でこの表示器を駆動できますか?
A: 技術的には、1つのドットを連続的に点灯させることは可能ですが、完全な文字を表示するには、マトリクス構造上マルチプレクシングが必要です。35個すべてのドットを平均電流で同時に駆動すると、非常に高い総電流と消費電力が必要となり、非現実的であり、パッケージ限界を超える可能性が高いです。
Q: ピーク波長(656 nm)と主波長(640 nm)の違いは何ですか?
A: ピーク波長は、発光スペクトルの物理的なピークです。主波長は、CIE色度図上の知覚される色点です。この違いは、発光スペクトルの形状と人間の目の非線形な感度(明所視応答)によるものです。主波長は、ユーザーが見る色を記述するのにより関連性があります。
Q: 必要な直列抵抗はどのように計算しますか?
A: 電源電圧(VCC)、LEDの順方向電圧(VF、2.6Vを使用)、および所望の順方向電流(IF)が必要です。マルチプレクシングの場合、所望の平均電流を達成するためのデューティサイクルに対応するピーク電流(Ip)を使用します。抵抗値 R = (VCC- VF) / Ip です。抵抗の電力定格がパルス電力に対して十分であることを確認してください。
8. 動作原理の紹介
本デバイスは、半導体p-n接合におけるエレクトロルミネッセンスの原理に基づいて動作します。ダイオードの閾値を超える順方向電圧が印加されると、電子と正孔が活性領域(AlInGaP層)で再結合し、光子(光)の形でエネルギーを放出します。AlInGaP合金の特定の組成が、バンドギャップエネルギー、したがって発光の波長(色)を決定します。マトリクス配置は、複数の個別のLEDチップを製造し、それらのアノードとカソードを格子状に接続することで実現され、外部電子回路を介して各交点(ドット)を制御できるようにしています。
9. パッケージングと発注情報
データシートでは、型番はLTP-2557JDと指定されています。\"JD\"サフィックスは、光度やその他のパラメータに関する特定のビニングを示している可能性があります。正確な発注には、メーカーのシステムにおける完全な型番を使用する必要があります。このような部品の標準的なパッケージングは、自動組立用のテープ&リール、または手動試作用のトレイや袋が一般的です。
LED仕様用語集
LED技術用語の完全な説明
光電性能
| 用語 | 単位/表示 | 簡単な説明 | なぜ重要か |
|---|---|---|---|
| 発光効率 | lm/W (ルーメン毎ワット) | 電力ワット当たりの光出力、高いほどエネルギー効率が良い。 | エネルギー効率等級と電気コストを直接決定する。 |
| 光束 | lm (ルーメン) | 光源から発せられる全光量、一般に「明るさ」と呼ばれる。 | 光が十分に明るいかどうかを決定する。 |
| 視野角 | ° (度)、例:120° | 光強度が半分になる角度、ビーム幅を決定する。 | 照明範囲と均一性に影響する。 |
| 色温度 | K (ケルビン)、例:2700K/6500K | 光の暖かさ/冷たさ、低い値は黄色がかった/暖かい、高い値は白っぽい/冷たい。 | 照明の雰囲気と適切なシナリオを決定する。 |
| 演色性指数 | 無次元、0–100 | 物体の色を正確に再現する能力、Ra≥80は良好。 | 色の真実性に影響し、ショッピングモール、美術館などの高要求場所で使用される。 |
| 色差許容差 | マクアダム楕円ステップ、例:「5ステップ」 | 色の一貫性指標、ステップが小さいほど色の一貫性が高い。 | 同じロットのLED全体で均一な色を保証する。 |
| 主波長 | nm (ナノメートル)、例:620nm (赤) | カラーLEDの色に対応する波長。 | 赤、黄、緑の単色LEDの色相を決定する。 |
| 分光分布 | 波長 vs 強度曲線 | 波長全体の強度分布を示す。 | 演色性と色品質に影響する。 |
電気パラメータ
| 用語 | 記号 | 簡単な説明 | 設計上の考慮事項 |
|---|---|---|---|
| 順電圧 | Vf | LEDを点灯するための最小電圧、「始動閾値」のようなもの。 | ドライバ電圧は≥Vfでなければならず、直列LEDの場合は電圧が加算される。 |
| 順電流 | If | LEDの正常動作のための電流値。 | 通常は定電流駆動、電流が明るさと寿命を決定する。 |
| 最大パルス電流 | Ifp | 短時間耐えられるピーク電流、調光やフラッシュに使用される。 | パルス幅とデューティサイクルは損傷を避けるために厳密に制御する必要がある。 |
| 逆電圧 | Vr | LEDが耐えられる最大逆電圧、それを超えると破壊される可能性がある。 | 回路は逆接続や電圧スパイクを防ぐ必要がある。 |
| 熱抵抗 | Rth (°C/W) | チップからはんだへの熱伝達抵抗、低いほど良い。 | 高い熱抵抗はより強力な放熱を必要とする。 |
| ESD耐性 | V (HBM)、例:1000V | 静電気放電に耐える能力、高いほど脆弱性が低い。 | 生産時には帯電防止対策が必要、特に敏感なLEDには。 |
熱管理と信頼性
| 用語 | 主要指標 | 簡単な説明 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 接合温度 | Tj (°C) | LEDチップ内部の実際の動作温度。 | 10°Cの低下ごとに寿命が2倍になる可能性がある;高すぎると光衰、色ずれを引き起こす。 |
| 光束減衰 | L70 / L80 (時間) | 明るさが初期の70%または80%に低下するまでの時間。 | LEDの「サービス寿命」を直接定義する。 |
| 光束維持率 | % (例:70%) | 時間経過後に残った明るさの割合。 | 長期使用における明るさの保持能力を示す。 |
| 色ずれ | Δu′v′またはマクアダム楕円 | 使用中の色変化の程度。 | 照明シーンでの色の一貫性に影響する。 |
| 熱劣化 | 材料劣化 | 長期的な高温による劣化。 | 明るさ低下、色変化、または開放回路故障を引き起こす可能性がある。 |
パッケージングと材料
| 用語 | 一般的な種類 | 簡単な説明 | 特徴と応用 |
|---|---|---|---|
| パッケージタイプ | EMC、PPA、セラミック | チップを保護し、光学的/熱的インターフェースを提供するハウジング材料。 | EMC:耐熱性が良く、低コスト;セラミック:放熱性が良く、寿命が長い。 |
| チップ構造 | フロント、フリップチップ | チップ電極配置。 | フリップチップ:放熱性が良く、効率が高い、高電力用。 |
| 蛍光体コーティング | YAG、珪酸塩、窒化物 | 青チップを覆い、一部を黄/赤に変換し、白に混合する。 | 異なる蛍光体は効率、CCT、CRIに影響する。 |
| レンズ/光学 | フラット、マイクロレンズ、TIR | 光分布を制御する表面の光学構造。 | 視野角と配光曲線を決定する。 |
品質管理とビニング
| 用語 | ビニング内容 | 簡単な説明 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 光束ビン | コード例:2G、2H | 明るさでグループ化され、各グループに最小/最大ルーメン値がある。 | 同じロット内で均一な明るさを保証する。 |
| 電圧ビン | コード例:6W、6X | 順電圧範囲でグループ化される。 | ドライバのマッチングを容易にし、システム効率を向上させる。 |
| 色ビン | 5ステップマクアダム楕円 | 色座標でグループ化され、狭い範囲を保証する。 | 色の一貫性を保証し、器具内の不均一な色を避ける。 |
| CCTビン | 2700K、3000Kなど | CCTでグループ化され、各々に対応する座標範囲がある。 | 異なるシーンのCCT要件を満たす。 |
テストと認証
| 用語 | 標準/試験 | 簡単な説明 | 意義 |
|---|---|---|---|
| LM-80 | 光束維持試験 | 一定温度での長期照明、明るさの減衰を記録する。 | LED寿命の推定に使用される (TM-21と併用)。 |
| TM-21 | 寿命推定標準 | LM-80データに基づいて実際の条件下での寿命を推定する。 | 科学的な寿命予測を提供する。 |
| IESNA | 照明学会 | 光学的、電気的、熱的試験方法を網羅する。 | 業界で認められた試験基盤。 |
| RoHS / REACH | 環境認証 | 有害物質 (鉛、水銀) がないことを保証する。 | 国際的な市場参入要件。 |
| ENERGY STAR / DLC | エネルギー効率認証 | 照明製品のエネルギー効率と性能認証。 | 政府調達、補助金プログラムで使用され、競争力を高める。 |