目次
- 1. 製品概要
- 1.1 主な特徴と利点
- 1.2 対象用途
- 2. 技術仕様詳細
- 2.1 絶対最大定格
- 2.2 電気的・光学的特性(Ta=25°C)
- 3. 機械的仕様とパッケージ情報
- 3.1 パッケージ寸法
- 3.2 ピン配置と内部回路
- 4. アプリケーションガイドラインと注意事項
- 4.1 設計および使用上の考慮点
- 4.2 保管および取り扱い条件
- 5. 性能曲線と特性分析
- 6. 技術比較と差別化
- 7. よくある質問(FAQ)
- 7.1 この表示器をどのように駆動すればよいですか?
- 7.2 強度BINコードの目的は何ですか?
- 7.3 単純な抵抗で電流を制限できますか?
- 7.4 なぜ逆電圧保護が重要なのですか?
- 8. 実用的なアプリケーション例
- 9. 動作原理と技術動向
- 9.1 基本的な動作原理
- 9.2 業界動向
1. 製品概要
LTP-3786JD-03は、明確な文字表示を必要とする用途向けに設計された、2桁14セグメントの英数字表示器です。桁高は0.54インチ(13.8 mm)で、様々な電子機器における中サイズの表示に適しています。本デバイスは、GaAs基板上に形成されたAlInGaP(アルミニウムインジウムガリウムリン)ハイパーレッドLEDチップを採用し、特定のスペクトル出力を提供します。表示面はライトグレー、セグメントは白色で、コントラストと視認性を高めています。
1.1 主な特徴と利点
- 文字表示品質:連続的で均一なセグメントにより、優れた文字の定義と外観を実現しています。
- 光学性能:高輝度と高コントラスト比により、様々な照明条件下での視認性を確保しています。
- 視野角:広い視野角により、異なる位置からの視認が可能です。
- 電力効率:LED技術に典型的な低消費電力です。
- 信頼性:ソリッドステート構造により、長寿命、耐衝撃性、耐振動性を提供します。
- 均一性:デバイスは光度(BIN)ごとに分類されており、複数ユニットを組み合わせた際の輝度均一性の達成に役立ちます。
1.2 対象用途
本表示器は、一般的な電子機器での使用を想定しています。これには、明確な数値および限定的な英字表示が必要な、オフィスオートメーション機器、通信機器、家電製品、計器盤、民生電子機器などが含まれますが、これらに限定されません。
2. 技術仕様詳細
2.1 絶対最大定格
これらの定格は、デバイスに永久的な損傷が生じる可能性のある限界を定義します。動作はこれらの限界内で維持する必要があります。
- チップあたりの電力損失:70 mW
- チップあたりのピーク順電流:90 mA(パルス条件:デューティサイクル1/10、パルス幅0.1 ms)
- チップあたりの連続順電流:25°C時 25 mA。25°C以上では0.33 mA/°Cのデレーティング係数が適用されます。
- チップあたりの逆電圧:5 V
- 動作・保管温度範囲:-35°C ~ +85°C
- はんだ付け条件:260°Cで3秒間。はんだ付け点はデバイスの実装面から少なくとも1/16インチ(≈1.6 mm)下に位置すること。
2.2 電気的・光学的特性(Ta=25°C)
これらは、指定された試験条件下での代表的な性能パラメータです。
- 平均光度(IV):順電流(IF)1 mA時、200-520 µcd(マイクロカンデラ)。CIEの明所視感度曲線に近似するフィルターを用いて測定。
- ピーク発光波長(λp):IF=20 mA時、650 nm。
- 主波長(λd):IF=20 mA時、639 nm(許容差±1 nm)。これは知覚される色を定義します。
- スペクトル半値幅(Δλ):IF=20 mA時、20 nm。スペクトルの純度を示します。
- セグメントあたりの順電圧(VF):IF=20 mA時、2.1V ~ 2.6V。許容差は±0.1V。
- セグメントあたりの逆電流(IR):逆電圧(VR)5V時、最大100 µA。
- 光度マッチング比(IV-m):IF=1 mA時、セグメント間の最大比2:1。輝度の均一性を確保します。
- クロストーク:≤ 2.5%。選択されていないセグメントの不要な発光を最小限に抑えます。
3. 機械的仕様とパッケージ情報
3.1 パッケージ寸法
本表示器は、18ピンの標準的な2桁パッケージで提供されます。主な寸法上の注意点は以下の通りです:
- 全ての寸法はミリメートル(mm)です。
- 特に指定がない限り、一般公差は±0.25 mmです。
- ピン先端のシフト公差は±0.4 mmです。
- ピン用の推奨PCB穴径は1.0 mmです。
- 異物(≤10 mil)、インク汚染(≤20 mil)、セグメント内の気泡(≤10 mil)、反射板の曲がり(長さの≤1%)について品質基準が定義されています。
3.2 ピン配置と内部回路
本デバイスは、コモンアノード構成を採用しています。コモンアノードピンは2本あり、それぞれ文字1(ピン16)と文字2(ピン11)用です。その他の全てのピン(未接続のピン3を除く)は、個々のセグメント(AからP、および小数点用のD.P.)のカソードです。内部回路図は、各セグメント用の独立したLEDチップがそれぞれのコモンアノードに接続されていることを示しています。この構造により、2桁を駆動するためのマルチプレクシングが可能になります。
4. アプリケーションガイドラインと注意事項
4.1 設計および使用上の考慮点
- 適用範囲:一般的な電子機器に適しています。事前の協議なく、安全が重要な用途(航空、医療用生命維持装置など)には推奨されません。
- 駆動回路設計:
- 定電流駆動:一貫した光度と色を維持するために強く推奨されます。
- 電圧範囲:回路は、全VF範囲(2.1V-2.6V)に対応し、あらゆる条件下で所望の電流が供給されるようにする必要があります。
- 保護:回路は、逆電圧や電源投入時の過渡電圧スパイクから保護する必要があります。
- 熱管理:動作電流は、最大周囲温度に基づいてデレーティングし、光の劣化や故障を防ぐ必要があります。
- 逆バイアスの回避:金属マイグレーションを引き起こし、リーク電流の増加やショートの原因となる可能性があります。
- 環境:湿潤環境での急激な温度変化は避け、表示面への結露を防止してください。
- 機械的取り扱い:組立時に表示器本体に異常な力を加えないでください。
- 複数表示器使用時:同じ光度BINの表示器を使用し、組立品全体での輝度(色調)の不均一を避けてください。
4.2 保管および取り扱い条件
- 標準保管(元の包装内):温度:5°C ~ 30°C。湿度:60% RH以下。これらの条件外での長期保管は、ピンの酸化を引き起こす可能性があります。
- 開封後保管(SMDタイプ参考):防湿バッグを開封した場合、同じ温度・湿度条件下で168時間(MSLレベル3)以内に使用する必要があります。
- ベーキング:未密封のパッケージが6ヶ月以上保管された場合、組立前に60°Cで48時間のベーキングが推奨され、その後1週間以内に組立を完了する必要があります。
5. 性能曲線と特性分析
データシートには代表的な性能曲線が参照されています(提供されたテキストには表示されていません)。これらの曲線は設計に不可欠であり、通常以下を含みます:
- 順電流 vs. 順電圧(I-V曲線):非線形関係を示し、電流制限抵抗の選択や定電流ドライバの設計に必須です。
- 光度 vs. 順電流:光出力が電流とともにどのように増加するかを示し、輝度調整や効率分析に役立ちます。
- 光度 vs. 周囲温度:温度上昇に伴う光出力のデレーティングを示し、高温環境での熱設計に重要です。
- スペクトル分布:相対強度 vs. 波長のグラフで、主波長、ピーク波長、スペクトル半値幅を確認できます。
設計者は、特定の動作条件におけるこれらの関係を定量的に理解するために、完全なデータシートのグラフを参照する必要があります。
6. 技術比較と差別化
LTP-3786JD-03は、以下のいくつかの重要な側面で差別化されています:
- チップ技術:AlInGaPハイパーレッドチップを使用しており、赤/橙色の従来のGaAsPやGaP技術と比較して、一般的に高効率で温度安定性に優れています。
- 光学設計:ライトグレーの表示面と白色セグメントは高コントラストを実現するよう設計されており、黒い表示面や拡散セグメントの表示器と比較して視認性を向上させています。
- 品質管理:セグメント欠陥(気泡、汚染)に対する厳しい公差と、光度(BIN)による分類は、光学的な一貫性と品質への注力を示しています。
- パッケージ:18ピンのスルーホール設計で、各桁に独立したコモンアノードを備えており、マルチプレクシング駆動回路の設計に柔軟性を提供します。
7. よくある質問(FAQ)
7.1 この表示器をどのように駆動すればよいですか?
マルチプレクシング技術を使用してください。一度に1つのコモンアノード(桁)を順次有効にし、その桁の所望のセグメントに対して正しいカソードパターンを印加します。サイクルはちらつきを避けるために十分速くする必要があります(通常 >60 Hz)。セグメントごとの定電流ドライバまたは電流制限付き電源の使用が推奨されます。
7.2 強度BINコードの目的は何ですか?
BINコードは、標準試験電流での測定された光度に基づいて表示器をグループ分けします。複数ユニットのアプリケーションで同じBINの表示器を使用することで、全ての桁で均一な輝度が確保され、見た目の斑を防ぎます。
7.3 単純な抵抗で電流を制限できますか?
はい、単純なアプリケーションでは可能です。抵抗値は R = (V電源- VF) / IF を用いて計算します。データシートの最大VF(2.6V)を使用し、最悪条件下でも最小電流が確保されるようにします。ただし、セグメント間および温度間での最高の一貫性のためには、定電流回路の方が優れています。
7.4 なぜ逆電圧保護が重要なのですか?
絶対最大定格(5V)を超える逆バイアスを印加すると、即座に損傷する可能性があります。より小さな逆電圧でも、持続的または繰り返し(例:回路内の誘導性キックバック)印加されると、電界移動によりLEDが徐々に劣化し、リーク電流の増加や故障の原因となります。
8. 実用的なアプリケーション例
シナリオ:簡単な2桁カウンターの設計
- マイクロコントローラインターフェース:2本のコモンアノードピン(11, 16)を、電流供給出力として設定された2つのGPIOピンに接続します。16本のセグメントカソードピンを、電流吸い込み出力として設定されたGPIOピンに接続します。より高い電流が必要な場合は、トランジスタやドライバICを介して接続します。
- 電流制限:各カソードラインに定電流シンクを実装し、輝度と寿命の良いバランスのために10-15 mAに設定します。これは連続定格25 mAを十分に下回ります。
- ソフトウェア:数字0-9を適切なセグメントパターン(A-G)にマッピングするルックアップテーブルを作成します。メインループで、桁1を有効にし、十の位のパターンを出力、1-5 ms待機、桁1を無効にし、桁2を有効にし、一の位のパターンを出力、1-5 ms待機、を繰り返します。これにより、安定したちらつきのない表示が作成されます。
- 熱に関する考慮:筐体が高温になる可能性がある場合(例:>50°C)、デレーティング係数(25°C以上で0.33 mA/°C)を使用して駆動電流をわずかに低下させ、信頼性を確保することを検討してください。
9. 動作原理と技術動向
9.1 基本的な動作原理
LEDは半導体ダイオードです。バンドギャップを超える順電圧が印加されると、電子と正孔が活性領域(この場合はAlInGaP層)で再結合し、光子(光)の形でエネルギーを放出します。AlInGaP合金の特定の組成がバンドギャップエネルギー、したがって放出される光の波長(色)を決定し、本デバイスではハイパーレッドスペクトルとなります。14セグメントのレイアウトにより、セグメントの組み合わせを選択的に点灯させることで、数字と限られた英字の形成が可能です。
9.2 業界動向
LTP-3786JD-03のようなスルーホール表示器は、試作、修理、特定の産業用途では依然として関連性がありますが、表示技術のより広範なトレンドは、自動組立と小型化のための表面実装デバイス(SMD)パッケージに向かっています。さらに、高効率化(ワットあたりのルーメン向上)への継続的な推進があり、赤色LEDではAlInGaPエピタキシャル構造の最適化とチップからの光取り出し効率の改善が含まれます。英数字表示器に関しては、ドットマトリックスパネルが完全な英数字およびグラフィック機能を提供するためますます一般的ですが、専用の数値表示においては、セグメント表示器はコスト、シンプルさ、明瞭さの点で利点を保持しています。
LED仕様用語集
LED技術用語の完全な説明
光電性能
| 用語 | 単位/表示 | 簡単な説明 | なぜ重要か |
|---|---|---|---|
| 発光効率 | lm/W (ルーメン毎ワット) | 電力ワット当たりの光出力、高いほどエネルギー効率が良い。 | エネルギー効率等級と電気コストを直接決定する。 |
| 光束 | lm (ルーメン) | 光源から発せられる全光量、一般に「明るさ」と呼ばれる。 | 光が十分に明るいかどうかを決定する。 |
| 視野角 | ° (度)、例:120° | 光強度が半分になる角度、ビーム幅を決定する。 | 照明範囲と均一性に影響する。 |
| 色温度 | K (ケルビン)、例:2700K/6500K | 光の暖かさ/冷たさ、低い値は黄色がかった/暖かい、高い値は白っぽい/冷たい。 | 照明の雰囲気と適切なシナリオを決定する。 |
| 演色性指数 | 無次元、0–100 | 物体の色を正確に再現する能力、Ra≥80は良好。 | 色の真実性に影響し、ショッピングモール、美術館などの高要求場所で使用される。 |
| 色差許容差 | マクアダム楕円ステップ、例:「5ステップ」 | 色の一貫性指標、ステップが小さいほど色の一貫性が高い。 | 同じロットのLED全体で均一な色を保証する。 |
| 主波長 | nm (ナノメートル)、例:620nm (赤) | カラーLEDの色に対応する波長。 | 赤、黄、緑の単色LEDの色相を決定する。 |
| 分光分布 | 波長 vs 強度曲線 | 波長全体の強度分布を示す。 | 演色性と色品質に影響する。 |
電気パラメータ
| 用語 | 記号 | 簡単な説明 | 設計上の考慮事項 |
|---|---|---|---|
| 順電圧 | Vf | LEDを点灯するための最小電圧、「始動閾値」のようなもの。 | ドライバ電圧は≥Vfでなければならず、直列LEDの場合は電圧が加算される。 |
| 順電流 | If | LEDの正常動作のための電流値。 | 通常は定電流駆動、電流が明るさと寿命を決定する。 |
| 最大パルス電流 | Ifp | 短時間耐えられるピーク電流、調光やフラッシュに使用される。 | パルス幅とデューティサイクルは損傷を避けるために厳密に制御する必要がある。 |
| 逆電圧 | Vr | LEDが耐えられる最大逆電圧、それを超えると破壊される可能性がある。 | 回路は逆接続や電圧スパイクを防ぐ必要がある。 |
| 熱抵抗 | Rth (°C/W) | チップからはんだへの熱伝達抵抗、低いほど良い。 | 高い熱抵抗はより強力な放熱を必要とする。 |
| ESD耐性 | V (HBM)、例:1000V | 静電気放電に耐える能力、高いほど脆弱性が低い。 | 生産時には帯電防止対策が必要、特に敏感なLEDには。 |
熱管理と信頼性
| 用語 | 主要指標 | 簡単な説明 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 接合温度 | Tj (°C) | LEDチップ内部の実際の動作温度。 | 10°Cの低下ごとに寿命が2倍になる可能性がある;高すぎると光衰、色ずれを引き起こす。 |
| 光束減衰 | L70 / L80 (時間) | 明るさが初期の70%または80%に低下するまでの時間。 | LEDの「サービス寿命」を直接定義する。 |
| 光束維持率 | % (例:70%) | 時間経過後に残った明るさの割合。 | 長期使用における明るさの保持能力を示す。 |
| 色ずれ | Δu′v′またはマクアダム楕円 | 使用中の色変化の程度。 | 照明シーンでの色の一貫性に影響する。 |
| 熱劣化 | 材料劣化 | 長期的な高温による劣化。 | 明るさ低下、色変化、または開放回路故障を引き起こす可能性がある。 |
パッケージングと材料
| 用語 | 一般的な種類 | 簡単な説明 | 特徴と応用 |
|---|---|---|---|
| パッケージタイプ | EMC、PPA、セラミック | チップを保護し、光学的/熱的インターフェースを提供するハウジング材料。 | EMC:耐熱性が良く、低コスト;セラミック:放熱性が良く、寿命が長い。 |
| チップ構造 | フロント、フリップチップ | チップ電極配置。 | フリップチップ:放熱性が良く、効率が高い、高電力用。 |
| 蛍光体コーティング | YAG、珪酸塩、窒化物 | 青チップを覆い、一部を黄/赤に変換し、白に混合する。 | 異なる蛍光体は効率、CCT、CRIに影響する。 |
| レンズ/光学 | フラット、マイクロレンズ、TIR | 光分布を制御する表面の光学構造。 | 視野角と配光曲線を決定する。 |
品質管理とビニング
| 用語 | ビニング内容 | 簡単な説明 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 光束ビン | コード例:2G、2H | 明るさでグループ化され、各グループに最小/最大ルーメン値がある。 | 同じロット内で均一な明るさを保証する。 |
| 電圧ビン | コード例:6W、6X | 順電圧範囲でグループ化される。 | ドライバのマッチングを容易にし、システム効率を向上させる。 |
| 色ビン | 5ステップマクアダム楕円 | 色座標でグループ化され、狭い範囲を保証する。 | 色の一貫性を保証し、器具内の不均一な色を避ける。 |
| CCTビン | 2700K、3000Kなど | CCTでグループ化され、各々に対応する座標範囲がある。 | 異なるシーンのCCT要件を満たす。 |
テストと認証
| 用語 | 標準/試験 | 簡単な説明 | 意義 |
|---|---|---|---|
| LM-80 | 光束維持試験 | 一定温度での長期照明、明るさの減衰を記録する。 | LED寿命の推定に使用される (TM-21と併用)。 |
| TM-21 | 寿命推定標準 | LM-80データに基づいて実際の条件下での寿命を推定する。 | 科学的な寿命予測を提供する。 |
| IESNA | 照明学会 | 光学的、電気的、熱的試験方法を網羅する。 | 業界で認められた試験基盤。 |
| RoHS / REACH | 環境認証 | 有害物質 (鉛、水銀) がないことを保証する。 | 国際的な市場参入要件。 |
| ENERGY STAR / DLC | エネルギー効率認証 | 照明製品のエネルギー効率と性能認証。 | 政府調達、補助金プログラムで使用され、競争力を高める。 |