目次
1. 製品概要
LTP-4823JDは、明確な文字および記号表示を必要とするアプリケーション向けに設計された、コンパクトで高性能な2桁英数字表示モジュールです。その主な機能は、数値データ、アルファベット、および特定の記号の視覚的な出力インターフェースを提供することであり、幅広い計測器、制御パネル、および民生電子機器に適しています。
このデバイスの核心的な利点は、LEDチップにAlInGaP(アルミニウムインジウムガリウムリン)半導体技術を採用している点にあります。この材料系は、高効率の赤色および琥珀色LEDを生成することで知られています。チップは不透明なGaAs基板上に形成されており、内部での光散乱と反射を最小限に抑えることでコントラストの向上に寄与します。表示部はグレーの面に白いセグメントを備えており、LEDが消灯しているときの視認性と美的魅力を高める組み合わせとなっています。デバイスは光度でカテゴライズされており、RoHS(有害物質の使用制限)指令に準拠した鉛フリーパッケージで提供されます。
1.1 主な特徴とターゲット市場
この表示器は、設計エンジニアにとって魅力的ないくつかの特徴を備えています:
- 桁高:0.4インチ(10 mm)。サイズと視認性の良いバランスを提供します。
- セグメント品質:連続的で均一なセグメントにより、一貫した発光とプロフェッショナルな外観を確保します。
- 電力効率:低電力要件により、エネルギー効率の高いシステム設計に貢献します。
- 光学性能:高輝度と高コントラスト比により、明るい環境下でも優れた視認性を確保します。
- 視野角:広い視野角により、様々な位置からの視認性を可能にします。
- 信頼性:ソリッドステート構造により、長い動作寿命と衝撃・振動に対する耐性を提供します。
ターゲット市場には、明確で信頼性の高い英数字フィードバックが必要な、産業用制御システム、試験・測定機器、医療機器、自動車ダッシュボード(補助表示器)、POS端末、および家電製品が含まれます。
2. 技術仕様の詳細
2.1 電気的・光学的特性
LTP-4823JDの性能は、周囲温度(Ta)25°Cにおける標準試験条件で定義されます。主要なパラメータは以下の通りです:
- 平均光度(IV):順電流(IF)1 mAにおいて、最小320 µcdから最大975 µcdの範囲。代表値はこの範囲内に収まります。このパラメータは、各点灯セグメントの明るさを定義します。
- ピーク発光波長(λp):650ナノメートル(nm)。これはLEDが最大の光パワーを発する波長であり、そのハイパーレッド色を定義します。
- 主波長(λd):639 nm。これは人間の目が知覚する単一波長であり、ピーク波長とはわずかに異なる場合があります。
- スペクトル半値幅(Δλ):20 nm。これはスペクトル純度、またはピーク波長周辺での発光の広がりを示します。
- セグメントあたりの順電圧(VF):代表値2.6ボルト、IF=20mAにおける最大値2.6V。最小値は2.1Vです。これは電流制限回路の設計に極めて重要です。
- セグメントあたりの逆電流(IR):逆電圧(VR)5Vにおける最大100 µA。
- 光度マッチング比:IF=1mAにおいて、類似の光領域内のセグメント間で最大2:1。これは、均一な外観を確保するためのセグメント間の許容最大輝度変動を規定します。
光度測定は、CIEの明所視感度曲線に近似するように校正されたセンサーとフィルターを使用して行われ、値が人間の視覚知覚と相関することを保証します。
2.2 絶対最大定格
これらの定格は、それを超えると永久的な損傷が発生する可能性のある応力限界を定義します。これらの限界を超える動作は保証されません。
- セグメントあたりの平均消費電力:70 mW。
- セグメントあたりのピーク順電流:90 mA(おそらくパルス動作用)。
- セグメントあたりの平均順電流:25°Cにおいて25 mA。この定格は、周囲温度が25°Cを超えて上昇するにつれて、0.33 mA/°Cで線形に低下します。
- セグメントあたりの逆電圧:5 V。
- 動作温度範囲:-35°C から +105°C。
- 保存温度範囲:-35°C から +105°C。
3. 機械的・パッケージ情報
3.1 物理寸法と公差
パッケージ寸法はミリメートルで提供されます。主要な公差には、ほとんどの寸法で±0.25 mm、ピン先端シフトで±0.4 mmが含まれます。詳細な寸法図は、適切なフィットと位置合わせを確保するためのPCB(プリント基板)フットプリント設計に不可欠です。この表示器は、はんだ付け用に設計されたピンを備えたスルーホールデバイスです。
3.2 ピン接続と内部回路
LTP-4823JDは、コモンアノード、デュプレックス表示として構成された20ピンデバイスです。これは、2つの独立した桁(キャラクター1とキャラクター2)を持ち、それぞれが共通のアノード接続を共有していることを意味します。個々のセグメントのカソードは、別々のピンに引き出されています。
ピン配置概要:ピン4と10は、それぞれ桁1と桁2のコモンアノードです。残りのピン(1-3、5-9、11-13、15-20)は、様々なセグメント(A、B、C、D、E、F、G、H、K、M、N、P、R、S、T、U、D.P.)のカソードです。ピン14は接続なし(N/C)と記載されています。内部回路図は、これらのLEDとそのコモンアノード接続の配置を示しています。
このコモンアノード構成では、駆動回路がコモンアノードピンに電流を供給し、個々のカソードピンを通じて電流をシンクすることで、特定のセグメントを点灯させる必要があります。
4. はんだ付けおよび組立ガイドライン
データシートは、組立中の熱損傷を防ぐためのはんだ付け条件を規定しています。推奨条件は、パッケージのシーティングプレーンから1/16インチ(約1.6 mm)下の点で測定して、260°Cで最大3秒間のはんだ付けです。組立プロセスのいかなる部分においても、デバイスの最大温度定格を超えないことが極めて重要です。LED部品には常に適切なESD(静電気放電)取り扱い手順に従う必要があります。
5. アプリケーション提案と設計上の考慮事項
5.1 代表的なアプリケーション回路
LTP-4823JDを駆動するには、そのコモンアノード構成のため、通常マルチプレクシング方式が採用されます。マイクロコントローラまたは専用の表示駆動ICが使用されます。コモンアノード(ピン4と10)は、電流源出力またはトランジスタを介したスイッチング電源に接続されます。セグメントカソードピンは、電流シンクドライバ(オープンコレクタ/ドレイン出力を持つトランジスタアレイやドライバICなど)に接続されます。
表示器は、各桁のコモンアノードへの電源を高速に切り替え(ストローブ)ながら、カソードラインに対応するセグメントデータを提示することによってマルチプレクスされます。目に見えるちらつきを避けるのに十分な高いリフレッシュレート(通常、桁あたり>60 Hz)を維持する必要があります。電流制限抵抗は、所望の順電流(通常、アプリケーションの輝度要件に応じて1 mAから20 mAの間)を設定するために、各セグメントカソード(または駆動回路設計に応じて各コモンアノード)に必須です。
5.2 設計上の考慮事項
- 電流制限:セグメント電流を制御するには常に直列抵抗を使用してください。抵抗値は R = (V電源- VF) / IF を使用して計算します。ここで、VFはデータシートからの順電圧です(安全設計のため最大値を使用)。
- 消費電力:温度による低下率を考慮して、セグメントあたりの平均電流が定格の25 mAを超えないようにしてください。すべての点灯セグメントの総電力も管理する必要があります。
- 視認条件:高コントラストと広い視野角により、表示器が斜めから見られる可能性のあるアプリケーションに適しています。グレーの面は環境光の反射を低減します。
- 調光:輝度は、駆動電流のパルス幅変調(PWM)によって制御できます。これは、アナログ的な電流低減よりも効果的で色安定性に優れています。
6. 性能曲線分析
データシートは、代表的な電気的・光学的特性曲線を参照しています。提供されたテキストでは具体的なグラフは詳細に説明されていませんが、そのような曲線には一般的に以下が含まれます:
- 相対光度 vs. 順電流(IV vs. IF):電流の増加に伴って輝度がどのように増加するかを示し、通常は準線形の傾向で、収穫逓減のポイントを強調します。
- 順電圧 vs. 順電流(VF vs. IF):ダイオードの指数関数的なI-V特性を示します。
- 相対光度 vs. 周囲温度(IV vs. Ta):接合温度の上昇に伴ってLED出力がどのように減少するかを示し、高輝度または高温アプリケーションにおける熱管理の重要性を強調します。
- スペクトル分布:約650 nmを中心に半値幅約20 nmで、異なる波長にわたる発光強度を示すグラフ。
これらの曲線は、非標準条件下でのデバイスの動作を理解し、効率と寿命のために駆動回路を最適化するために極めて重要です。
7. 技術比較と差別化
LTP-4823JDは、そのAlInGaP技術によって差別化されています。標準的なGaAsP(ガリウムヒ素リン)赤色LEDなどの古い技術と比較して、AlInGaPは著しく高い発光効率を提供し、同じ駆動電流でより高い輝度、または同じ輝度でより低い消費電力を実現します。ハイパーレッド色(650nm)は、視覚的により印象的であり、一部の光学センサーシステムでより良い性能を発揮することがあります。16セグメントフォーマットは、単純な7セグメント数字表示を超える英数字機能を提供し、2桁単一モジュール構造は、2つの独立した1桁ユニットと比較して基板スペースを節約します。
8. よくある質問(技術パラメータに基づく)
Q: ピーク波長(650nm)と主波長(639nm)の違いは何ですか?
A: ピーク波長は発光スペクトルの物理的なピークです。主波長は知覚される色点です。わずかな違いは、発光スペクトルの形状と人間の目の感度曲線(CIE)によるものです。主波長は色指定により関連性があります。
Q: 他の部品なしで5Vマイクロコントローラでこの表示器を駆動できますか?
A: いいえ。各セグメントカソードに外部の電流制限抵抗を使用する必要があります。LEDをマイクロコントローラのピンに直接接続すると、LED(過電流による)とマイクロコントローラのピン(電流シンク/ソース能力を超えることによる)の両方を損傷する可能性があります。
Q: 光度でカテゴライズとはどういう意味ですか?
A: 表示器が標準試験電流での測定輝度に応じてテストされ、ビニング(選別)されることを意味します。これにより、設計者はアプリケーションに適した一貫した輝度レベルの部品を選択でき、製品内の複数ユニット間で均一な外観を確保できます。
Q: 小数点制御はどのように行いますか?
A: 小数点(D.P.)は独自のカソード接続(ピン5)を持つ独立したセグメントです。他のセグメント(A、B、Cなど)と同様に独立して制御されます。
9. 動作原理と技術動向
9.1 基本的な動作原理
LEDは半導体ダイオードです。バンドギャップ電圧を超える順電圧が印加されると、電子と正孔が半導体の活性領域で再結合し、光子(光)の形でエネルギーを放出します。光の色は半導体材料のエネルギー・バンドギャップによって決まります。AlInGaPは赤/オレンジ/琥珀色の光に対応するバンドギャップを持っています。不透明な基板は、生成された光の多くをデバイスの上部に向かって導くのを助け、効率を向上させます。
9.2 業界動向
英数字表示器の動向は、より高い集積度、自動組立のための表面実装技術(SMT)パッケージ、そして時には表示モジュール自体に駆動ICを含める方向に向かっています。LTP-4823JDのようなスルーホール表示器は、試作、修理しやすい設計、および特定の産業用途では依然として人気がありますが、SMTバージョンは大量生産の民生電子機器でより一般的になりつつあります。さらに、より広い温度範囲でのより高い効率(ワットあたりのより多くの光)と信頼性の向上に向けた絶え間ない追求があります。
LED仕様用語集
LED技術用語の完全な説明
光電性能
| 用語 | 単位/表示 | 簡単な説明 | なぜ重要か |
|---|---|---|---|
| 発光効率 | lm/W (ルーメン毎ワット) | 電力ワット当たりの光出力、高いほどエネルギー効率が良い。 | エネルギー効率等級と電気コストを直接決定する。 |
| 光束 | lm (ルーメン) | 光源から発せられる全光量、一般に「明るさ」と呼ばれる。 | 光が十分に明るいかどうかを決定する。 |
| 視野角 | ° (度)、例:120° | 光強度が半分になる角度、ビーム幅を決定する。 | 照明範囲と均一性に影響する。 |
| 色温度 | K (ケルビン)、例:2700K/6500K | 光の暖かさ/冷たさ、低い値は黄色がかった/暖かい、高い値は白っぽい/冷たい。 | 照明の雰囲気と適切なシナリオを決定する。 |
| 演色性指数 | 無次元、0–100 | 物体の色を正確に再現する能力、Ra≥80は良好。 | 色の真実性に影響し、ショッピングモール、美術館などの高要求場所で使用される。 |
| 色差許容差 | マクアダム楕円ステップ、例:「5ステップ」 | 色の一貫性指標、ステップが小さいほど色の一貫性が高い。 | 同じロットのLED全体で均一な色を保証する。 |
| 主波長 | nm (ナノメートル)、例:620nm (赤) | カラーLEDの色に対応する波長。 | 赤、黄、緑の単色LEDの色相を決定する。 |
| 分光分布 | 波長 vs 強度曲線 | 波長全体の強度分布を示す。 | 演色性と色品質に影響する。 |
電気パラメータ
| 用語 | 記号 | 簡単な説明 | 設計上の考慮事項 |
|---|---|---|---|
| 順電圧 | Vf | LEDを点灯するための最小電圧、「始動閾値」のようなもの。 | ドライバ電圧は≥Vfでなければならず、直列LEDの場合は電圧が加算される。 |
| 順電流 | If | LEDの正常動作のための電流値。 | 通常は定電流駆動、電流が明るさと寿命を決定する。 |
| 最大パルス電流 | Ifp | 短時間耐えられるピーク電流、調光やフラッシュに使用される。 | パルス幅とデューティサイクルは損傷を避けるために厳密に制御する必要がある。 |
| 逆電圧 | Vr | LEDが耐えられる最大逆電圧、それを超えると破壊される可能性がある。 | 回路は逆接続や電圧スパイクを防ぐ必要がある。 |
| 熱抵抗 | Rth (°C/W) | チップからはんだへの熱伝達抵抗、低いほど良い。 | 高い熱抵抗はより強力な放熱を必要とする。 |
| ESD耐性 | V (HBM)、例:1000V | 静電気放電に耐える能力、高いほど脆弱性が低い。 | 生産時には帯電防止対策が必要、特に敏感なLEDには。 |
熱管理と信頼性
| 用語 | 主要指標 | 簡単な説明 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 接合温度 | Tj (°C) | LEDチップ内部の実際の動作温度。 | 10°Cの低下ごとに寿命が2倍になる可能性がある;高すぎると光衰、色ずれを引き起こす。 |
| 光束減衰 | L70 / L80 (時間) | 明るさが初期の70%または80%に低下するまでの時間。 | LEDの「サービス寿命」を直接定義する。 |
| 光束維持率 | % (例:70%) | 時間経過後に残った明るさの割合。 | 長期使用における明るさの保持能力を示す。 |
| 色ずれ | Δu′v′またはマクアダム楕円 | 使用中の色変化の程度。 | 照明シーンでの色の一貫性に影響する。 |
| 熱劣化 | 材料劣化 | 長期的な高温による劣化。 | 明るさ低下、色変化、または開放回路故障を引き起こす可能性がある。 |
パッケージングと材料
| 用語 | 一般的な種類 | 簡単な説明 | 特徴と応用 |
|---|---|---|---|
| パッケージタイプ | EMC、PPA、セラミック | チップを保護し、光学的/熱的インターフェースを提供するハウジング材料。 | EMC:耐熱性が良く、低コスト;セラミック:放熱性が良く、寿命が長い。 |
| チップ構造 | フロント、フリップチップ | チップ電極配置。 | フリップチップ:放熱性が良く、効率が高い、高電力用。 |
| 蛍光体コーティング | YAG、珪酸塩、窒化物 | 青チップを覆い、一部を黄/赤に変換し、白に混合する。 | 異なる蛍光体は効率、CCT、CRIに影響する。 |
| レンズ/光学 | フラット、マイクロレンズ、TIR | 光分布を制御する表面の光学構造。 | 視野角と配光曲線を決定する。 |
品質管理とビニング
| 用語 | ビニング内容 | 簡単な説明 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 光束ビン | コード例:2G、2H | 明るさでグループ化され、各グループに最小/最大ルーメン値がある。 | 同じロット内で均一な明るさを保証する。 |
| 電圧ビン | コード例:6W、6X | 順電圧範囲でグループ化される。 | ドライバのマッチングを容易にし、システム効率を向上させる。 |
| 色ビン | 5ステップマクアダム楕円 | 色座標でグループ化され、狭い範囲を保証する。 | 色の一貫性を保証し、器具内の不均一な色を避ける。 |
| CCTビン | 2700K、3000Kなど | CCTでグループ化され、各々に対応する座標範囲がある。 | 異なるシーンのCCT要件を満たす。 |
テストと認証
| 用語 | 標準/試験 | 簡単な説明 | 意義 |
|---|---|---|---|
| LM-80 | 光束維持試験 | 一定温度での長期照明、明るさの減衰を記録する。 | LED寿命の推定に使用される (TM-21と併用)。 |
| TM-21 | 寿命推定標準 | LM-80データに基づいて実際の条件下での寿命を推定する。 | 科学的な寿命予測を提供する。 |
| IESNA | 照明学会 | 光学的、電気的、熱的試験方法を網羅する。 | 業界で認められた試験基盤。 |
| RoHS / REACH | 環境認証 | 有害物質 (鉛、水銀) がないことを保証する。 | 国際的な市場参入要件。 |
| ENERGY STAR / DLC | エネルギー効率認証 | 照明製品のエネルギー効率と性能認証。 | 政府調達、補助金プログラムで使用され、競争力を高める。 |