目次
1. 製品概要
本資料は、3030フットプリントとエポキシモールドコンパウンド(EMC)パッケージを採用したミッドパワーLEDシリーズの仕様を詳細に説明します。高効率とコストパフォーマンスを追求して設計された本シリーズは、幅広い一般照明および装飾照明用途に対する堅牢なソリューションを提供します。EMC材料は従来のプラスチックと比較して優れた熱管理特性を有し、より高い電力レベルでの信頼性の高い動作を可能にします。
本製品ラインの中核的な利点は、ミッドパワーセグメントにおいて最高クラスのルーメン/ワット比およびルーメン/ドル比を実現している点です。最大消費電力1.36W、推奨最大駆動電流200mAを備え、ミッドパワーとハイパワー用途の間を埋めるように設計されています。LEDはウォームホワイト(2725K)からクールホワイト(6530K)までの相関色温度(CCT)のスペクトルで提供され、すべてのCCTビンで最小演色評価数(CRI)80を保証し、照明空間における良好な色品質を確保します。
1.1 主な特長と利点
- 熱強化EMCパッケージ:優れた放熱性を提供するパッケージ設計により、長寿命化と光束出力の安定性維持を実現します。
- 高出力対応:最大1.3Wまでのアプリケーションに適しており、ミッドパワーLEDとハイパワーLEDの境界を曖昧にします。
- 高駆動電流:最大連続順電流(IF)200mAをサポートし、より高い光束出力を可能にします。
- 高色品質:すべてのCCTビンで最小CRI 80を保証し、正確で快適な色再現性を提供します。
- 鉛フリー・リフロー対応:鉛フリーはんだおよび標準的な表面実装技術(SMT)リフロー工程での使用を想定して設計されています。
2. 技術パラメータ分析
2.1 電気光学特性
主要な性能データは、標準試験条件IF = 150mA、Ta = 25°Cで測定されます。光束出力はカラービンによって異なり、代表値は約119 lmから131 lmの範囲です。110度の広い指向角(2θ1/2)は、広く均一な照明を保証します。150mA時の順方向電圧(VF)の代表値は6.8Vで、許容差は±0.1Vです。提供されている測定許容差(光束:±7%、CRI(Ra):±2)に留意することが重要です。
2.2 電気的・熱的パラメータ
絶対最大定格は動作限界を定義します。最大連続順電流は200mAで、特定の条件下(パルス幅 ≤ 100µs、デューティサイクル ≤ 1/10)では300mAのパルス順電流(IFP)が許容されます。最大消費電力は1360 mWです。接合部からはんだ接点までの熱抵抗(Rth j-sp)は14 °C/Wであり、熱管理設計における重要なパラメータです。デバイスは-40°Cから+85°Cの温度範囲で動作および保管可能で、最大接合温度(Tj)は115°Cです。
2.3 はんだ付け仕様
本LEDはリフローはんだ付けに対応しています。ピークはんだ付け温度は230°Cまたは260°Cを超えてはならず、ピーク温度での暴露時間は10秒以内に制限する必要があります。これらのプロファイルを遵守することは、パッケージの損傷や内部部品の劣化を防ぐために不可欠です。
3. ビニングシステムの説明
製造における色と明るさの一貫性を確保するため、LEDはビンに分類されます。
3.1 色(CCT)ビニング
本製品は、2600Kから7000KのCCTに対してEnergy Star準拠のビニング構造を使用しています。6つの主要ビン(27M5、30M5、40M5、50M5、57M6、65M6)が定義され、それぞれが特定の公称CCTとCIE 1931色度図上の定義された楕円に対応します。各ビンの中心座標(x, y)、楕円半径(a, b)、角度(Φ)は正確に規定されており、色座標測定の不確かさは±0.007です。
3.2 光束ビニング
各カラービン内で、LEDは150mA時の光束出力によってさらに分類されます。光束ランクはコード(例:2C、2D、2E、2F、2G)で指定され、それぞれが最小および最大の光束範囲を表します。例えば、27M5カラービンでは、コード2Cは107-114 lm、2Dは114-122 lm、2Eは122-130 lmをカバーします。これにより、設計者は正確な輝度要件に基づいて部品を選択できます。
3.3 順方向電圧ビニング
電圧ビニングの詳細な表は提供された内容から完全には抽出されていませんが、指定された電流での順方向電圧(VF)によってLEDをグループ化するのは標準的な手法です。これは、より一貫性のある駆動回路の設計や、アレイ内の電力配分の管理に役立ちます。
4. 性能曲線分析
4.1 IV特性と光束特性
図3は順電流(IF)と相対光束の関係を示しています。光束は電流とともに増加しますが、高電流では熱的影響や効率低下により準線形の傾向を示します。図4は順方向電圧(VF)と順電流(IF)の関係を示し、典型的なダイオード特性曲線を描いています。
4.2 温度依存性
図6と図7は、周囲温度(Ta)が性能に与える影響を示しています。温度が上昇すると、相対光束は減少し(図6)、順方向電圧も減少します(図7)。図5は、温度による色度座標(CIE x, y)のシフトを示しており、安定した色点を必要とするアプリケーションにとって重要です。図8は設計上極めて重要です:2つの異なる熱抵抗条件(Rj-a=35°C/Wおよび45°C/W)における、周囲温度に対する最大許容順電流をプロットしています。このグラフは、接合温度を安全限界内に保つために、周囲温度の上昇に伴って必要な電流のディレーティングを定義します。
4.3 スペクトル分布と角度分布
図1は色品質を定義する相対分光パワー分布を表しています。図2は指向角分布または放射パターンを示し、110度のビーム角を確認できます。
5. アプリケーションガイドライン
5.1 対象アプリケーション
- リフォームランプ:器具内の従来の白熱灯、ハロゲン灯、または電球型蛍光灯の直接置換。
- 一般照明:住宅、商業施設、産業施設における主照明。
- バックライト:屋内・屋外看板および表示パネル用。
- 建築・装飾照明:アクセント照明、コーブ照明、その他の美的照明設備。
5.2 設計上の考慮事項
熱管理:14 °C/Wの熱抵抗は、はんだパッドからヒートシンクへの効果的な熱経路を必要とします。アプリケーションの想定最大周囲温度に対して適切な駆動電流を決定するには、図8を参照してください。最大定格(特にTj)を超えると、寿命と信頼性が大幅に低下します。
電気設計:ドライバーの選択は、150mA時の代表的なVF 6.8Vを考慮する必要があります。定電流駆動の場合、ドライバーの電流出力が所望の動作点(例:より高い効率/寿命のため150mA以下)と一致することを確認してください。並列ストリング間の電流バランスを取るために、順方向電圧ビニングを考慮してください。
光学設計:110度の指向角は、広く拡散した照明に適しています。より集光したビームが必要な場合は、二次光学系(レンズ)が必要になります。
6. 技術比較とトレンド
この3030 EMC LEDシリーズは、競争の激しいミッドパワー市場に位置付けられます。その主な差別化要因はEMCパッケージの採用にあり、多くのミッドパワーLEDで使用される標準的なPPAやPCTプラスチックと比較して、通常、より優れた熱伝導性と高温/紫外線暴露下での黄変耐性を提供します。これにより、信頼性を維持しながらより高い電流(最大200mA)で駆動することが可能となり、実質的に高い電力密度を提供します。
LEDパッケージのトレンドは、熱性能を改善し、より小型のパッケージからより高い光束密度を可能にする材料と設計に向かって続いています。EMCおよびセラミックパッケージは、ミッドパワーおよびハイパワーデバイスの両方において、このトレンドの最前線にあります。本製品で強調されている高いlm/$およびlm/Wへの焦点は、民生用照明の普及における主要な推進力であり続けています。
7. よくある質問(FAQ)
Q: 代表的な動作点での実際の消費電力はどれくらいですか?
A: IF=150mA、VF=6.8V(代表値)の試験条件では、電気的電力は P = I*V = 0.15A * 6.8V = 1.02W です。
Q: このLEDを200mAで連続駆動できますか?
A: 可能ですが、接合温度(Tj)が115°Cを超えないことを保証する必要があります。これには優れた熱管理(接合部から周囲への低い熱抵抗)が必要です。最大許容電流が周囲温度の上昇とともにどのように減少するかは、図8を参照してください。
Q: カラービンコード(例:27M5)のM5やM6は何を意味しますか?
A: これらのコードは、ANSI C78.377またはEnergy Star規格で定義されたCIE色度図上の特定の楕円を指します。数字(27、30など)は公称CCT(例:2700K、3000K)に関連します。文字と数字(M5、M6)は、その公称点を中心とした色許容楕円のサイズと位置を定義します。
Q: プラスチックパッケージと比較して、EMCパッケージは私の設計にどのような利点がありますか?
A: EMC材料はより高い熱伝導率を有し、LEDチップからの熱を基板やヒートシンクへより効率的に伝達することができます。これにより、同じ駆動電流でも動作接合温度が低くなり、寿命が向上し、より高い光出力を維持でき、十分に冷却された設計では潜在的なオーバードライブが可能になります。
8. 設計および使用例
シナリオ: 1200 lm LED電球リプレースメント(A19タイプ)の設計
典型的な60W白熱灯相当のLED電球は約800ルーメンを出力します。より明るい100W相当(約1600 lm)を作成するために、設計者はこの3030 LEDを使用するかもしれません。
設計計算:代表的な光束124 lm(例:150mA時の30M5ビン)のLEDを使用して1600 lmを目標とする場合、約13個のLEDが必要です(1600 / 124 ≈ 12.9)。これらは放熱のために電球内部の金属基板PCB(MCPCB)上に配置されます。13個すべてを直列に駆動するには、約13 * 6.8V = 88.4Vのドライバー出力電圧が必要となり、これは高電圧です。より実用的なアプローチは、6-7個のLEDを2つの並列ストリングにすることであり、より低い電圧で2倍の電流を供給できるドライバーが必要です。総電力は約13 * 1.02W = 13.3Wとなり、高い効率を示します。熱設計では、LED基板の周囲温度となる電球ベースの温度が、150mA動作を可能にする図8で定義された限界内に収まることを保証しなければなりません。
LED仕様用語集
LED技術用語の完全な説明
光電性能
| 用語 | 単位/表示 | 簡単な説明 | なぜ重要か |
|---|---|---|---|
| 発光効率 | lm/W (ルーメン毎ワット) | 電力ワット当たりの光出力、高いほどエネルギー効率が良い。 | エネルギー効率等級と電気コストを直接決定する。 |
| 光束 | lm (ルーメン) | 光源から発せられる全光量、一般に「明るさ」と呼ばれる。 | 光が十分に明るいかどうかを決定する。 |
| 視野角 | ° (度)、例:120° | 光強度が半分になる角度、ビーム幅を決定する。 | 照明範囲と均一性に影響する。 |
| 色温度 | K (ケルビン)、例:2700K/6500K | 光の暖かさ/冷たさ、低い値は黄色がかった/暖かい、高い値は白っぽい/冷たい。 | 照明の雰囲気と適切なシナリオを決定する。 |
| 演色性指数 | 無次元、0–100 | 物体の色を正確に再現する能力、Ra≥80は良好。 | 色の真実性に影響し、ショッピングモール、美術館などの高要求場所で使用される。 |
| 色差許容差 | マクアダム楕円ステップ、例:「5ステップ」 | 色の一貫性指標、ステップが小さいほど色の一貫性が高い。 | 同じロットのLED全体で均一な色を保証する。 |
| 主波長 | nm (ナノメートル)、例:620nm (赤) | カラーLEDの色に対応する波長。 | 赤、黄、緑の単色LEDの色相を決定する。 |
| 分光分布 | 波長 vs 強度曲線 | 波長全体の強度分布を示す。 | 演色性と色品質に影響する。 |
電気パラメータ
| 用語 | 記号 | 簡単な説明 | 設計上の考慮事項 |
|---|---|---|---|
| 順電圧 | Vf | LEDを点灯するための最小電圧、「始動閾値」のようなもの。 | ドライバ電圧は≥Vfでなければならず、直列LEDの場合は電圧が加算される。 |
| 順電流 | If | LEDの正常動作のための電流値。 | 通常は定電流駆動、電流が明るさと寿命を決定する。 |
| 最大パルス電流 | Ifp | 短時間耐えられるピーク電流、調光やフラッシュに使用される。 | パルス幅とデューティサイクルは損傷を避けるために厳密に制御する必要がある。 |
| 逆電圧 | Vr | LEDが耐えられる最大逆電圧、それを超えると破壊される可能性がある。 | 回路は逆接続や電圧スパイクを防ぐ必要がある。 |
| 熱抵抗 | Rth (°C/W) | チップからはんだへの熱伝達抵抗、低いほど良い。 | 高い熱抵抗はより強力な放熱を必要とする。 |
| ESD耐性 | V (HBM)、例:1000V | 静電気放電に耐える能力、高いほど脆弱性が低い。 | 生産時には帯電防止対策が必要、特に敏感なLEDには。 |
熱管理と信頼性
| 用語 | 主要指標 | 簡単な説明 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 接合温度 | Tj (°C) | LEDチップ内部の実際の動作温度。 | 10°Cの低下ごとに寿命が2倍になる可能性がある;高すぎると光衰、色ずれを引き起こす。 |
| 光束減衰 | L70 / L80 (時間) | 明るさが初期の70%または80%に低下するまでの時間。 | LEDの「サービス寿命」を直接定義する。 |
| 光束維持率 | % (例:70%) | 時間経過後に残った明るさの割合。 | 長期使用における明るさの保持能力を示す。 |
| 色ずれ | Δu′v′またはマクアダム楕円 | 使用中の色変化の程度。 | 照明シーンでの色の一貫性に影響する。 |
| 熱劣化 | 材料劣化 | 長期的な高温による劣化。 | 明るさ低下、色変化、または開放回路故障を引き起こす可能性がある。 |
パッケージングと材料
| 用語 | 一般的な種類 | 簡単な説明 | 特徴と応用 |
|---|---|---|---|
| パッケージタイプ | EMC、PPA、セラミック | チップを保護し、光学的/熱的インターフェースを提供するハウジング材料。 | EMC:耐熱性が良く、低コスト;セラミック:放熱性が良く、寿命が長い。 |
| チップ構造 | フロント、フリップチップ | チップ電極配置。 | フリップチップ:放熱性が良く、効率が高い、高電力用。 |
| 蛍光体コーティング | YAG、珪酸塩、窒化物 | 青チップを覆い、一部を黄/赤に変換し、白に混合する。 | 異なる蛍光体は効率、CCT、CRIに影響する。 |
| レンズ/光学 | フラット、マイクロレンズ、TIR | 光分布を制御する表面の光学構造。 | 視野角と配光曲線を決定する。 |
品質管理とビニング
| 用語 | ビニング内容 | 簡単な説明 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 光束ビン | コード例:2G、2H | 明るさでグループ化され、各グループに最小/最大ルーメン値がある。 | 同じロット内で均一な明るさを保証する。 |
| 電圧ビン | コード例:6W、6X | 順電圧範囲でグループ化される。 | ドライバのマッチングを容易にし、システム効率を向上させる。 |
| 色ビン | 5ステップマクアダム楕円 | 色座標でグループ化され、狭い範囲を保証する。 | 色の一貫性を保証し、器具内の不均一な色を避ける。 |
| CCTビン | 2700K、3000Kなど | CCTでグループ化され、各々に対応する座標範囲がある。 | 異なるシーンのCCT要件を満たす。 |
テストと認証
| 用語 | 標準/試験 | 簡単な説明 | 意義 |
|---|---|---|---|
| LM-80 | 光束維持試験 | 一定温度での長期照明、明るさの減衰を記録する。 | LED寿命の推定に使用される (TM-21と併用)。 |
| TM-21 | 寿命推定標準 | LM-80データに基づいて実際の条件下での寿命を推定する。 | 科学的な寿命予測を提供する。 |
| IESNA | 照明学会 | 光学的、電気的、熱的試験方法を網羅する。 | 業界で認められた試験基盤。 |
| RoHS / REACH | 環境認証 | 有害物質 (鉛、水銀) がないことを保証する。 | 国際的な市場参入要件。 |
| ENERGY STAR / DLC | エネルギー効率認証 | 照明製品のエネルギー効率と性能認証。 | 政府調達、補助金プログラムで使用され、競争力を高める。 |