目次
- 1. 製品概要
- 2. 詳細な技術パラメータ分析
- 2.1 絶対最大定格
- 2.2 電気光学特性
- 3. 性能曲線分析
- 4. 機械的およびパッケージ情報
- 4.1 パッケージ寸法
- 4.2 極性識別とパッド設計
- 4.3 テープおよびリールパッケージング
- 5. はんだ付けおよび組立ガイドライン
- 5.1 リフローはんだ付け条件
- 5.2 洗浄
- 5.3 保管条件
- 6. アプリケーション提案および設計上の考慮事項
- 6.1 代表的なアプリケーション回路
- 6.2 熱管理
- 6.3 光学的考慮事項
- 7. 技術比較および差別化
- 8. よくある質問(FAQ)
- 9. 実用的な設計および使用例
- 10. 動作原理の紹介
- 11. 技術トレンド
1. 製品概要
LTST-C150KEKTは、高い視認性と信頼性を必要とするアプリケーション向けに設計された高性能表面実装LEDです。特に赤色スペクトルにおいて高い発光効率と優れた色純度で知られるAlInGaP(アルミニウムインジウムガリウムリン)チップを採用しています。このLEDは標準的なEIA互換フォーマットでパッケージングされており、大量生産される電子機器製造で一般的に使用される自動ピックアンドプレース組立ラインに適しています。
この部品の主な用途分野には、ステータスインジケータ、小型ディスプレイのバックライト、自動車内装照明、および明るく均一な赤色表示が要求される様々な民生用電子機器が含まれます。その設計は、現代のはんだ付けプロセスとの互換性を優先しており、劣化なく赤外線(IR)および気相リフローはんだ付けの熱プロファイルに耐えられることを保証しています。
2. 詳細な技術パラメータ分析
2.1 絶対最大定格
これらの定格は、デバイスに永久的な損傷が発生する可能性がある限界を定義します。これらの限界値付近または限界値でLEDを連続動作させることは推奨されません。
- 電力損失(Pd):75 mW。これは、周囲温度(Ta)25°CにおいてLEDパッケージが熱として放散できる最大電力です。この限界を超えると、半導体接合部の過熱リスクがあります。
- 連続順方向電流(IF):30 mA。連続的に印加できる最大DC電流です。
- ピーク順方向電流:80 mA。これは、過熱することなく一時的に高い光出力を得るために、パルス条件(1/10デューティサイクル、0.1msパルス幅)でのみ許容されます。
- ディレーティング係数:0.4 mA/°C。周囲温度が25°Cを超える場合、熱暴走を防ぐために、最大許容連続順方向電流はこの係数で直線的に減少させなければなりません。
- 逆電圧(VR):5 V。これより高い逆電圧を印加すると、LEDのPN接合が破壊される可能性があります。
- 動作・保管温度範囲:-55°C ~ +85°C。この広い範囲は、過酷な環境下での堅牢な性能を示しています。
- はんだ付け耐熱温度:LEDは、260°Cで5秒間(IR/ウェーブ)または215°Cで3分間(気相)に耐えることができ、鉛フリーリフロープロセスへの適合性を確認しています。
2.2 電気光学特性
これらのパラメータは、標準試験条件である順方向電流(IF)20mA、周囲温度(Ta)25°Cで測定されます。
- 光度(Iv):30.0 - 50.0 mcd(ミリカンデラ)。これは、人間の目で見たLEDの知覚される明るさを指定します(CIE対応フィルター使用)。代表値は50 mcdで、標準的なインジケータLEDとしては非常に明るい出力を示しています。
- 指向角(2θ1/2):130度。これは非常に広い指向角であり、LEDが広い円錐状に光を放射することを意味します。半値角(軸から65°オフ)での強度は、軸上(中心)強度の50%です。
- ピーク発光波長(λPeak):632 nm(代表値)。これはスペクトルパワー出力が最も高い波長です。可視スペクトルの赤色領域内に収まります。
- 主波長(λd):624 nm(代表値)。これはCIE色度図から導出され、光の知覚される色を最もよく表す単一波長を表します。ピーク波長と主波長の差は、LEDのスペクトル形状の特徴です。
- スペクトル半値幅(Δλ):20 nm。これはスペクトル純度を測定し、ピーク強度の50%で放射される波長の範囲を示します。20 nmの値は、単色AlInGaP LEDに典型的です。
- 順方向電圧(VF):IF=20mA時、2.0V(最小) - 2.4V(代表)。これは動作時のLED両端の電圧降下です。駆動回路の電流制限抵抗を設計する上で極めて重要です。
- 逆電流(IR):VR=5V時、100 µA(最大)。これは、LEDが最大定格内で逆バイアスされたときに流れる小さなリーク電流です。
- 静電容量(C):VF=0V、f=1MHz時、40 pF(代表)。これは接合容量であり、高周波スイッチングアプリケーションに関連する可能性があります。
3. 性能曲線分析
具体的なグラフは提供されたテキストでは詳細に説明されていませんが、このようなLEDの典型的な曲線には以下が含まれます:
- IV曲線(電流対電圧):順方向電圧と電流の間の指数関数的関係を示します。膝電圧は約2.0Vで、それを超えるとわずかな電圧増加で電流が急速に増加します。
- 光度対順方向電流:ある点までは光出力が順方向電流にほぼ比例することを示し、それを超えると加熱により効率が低下する可能性があります。
- 光度対周囲温度:周囲温度の上昇に伴う光出力のディレーティングを示します。AlInGaP LEDは、他の技術と比較して通常、優れた高温性能を有します。
- スペクトル分布:相対強度対波長のプロットで、632 nmにピークがあり、半値幅が20 nmであることを示し、単色赤色出力を確認します。
4. 機械的およびパッケージ情報
4.1 パッケージ寸法
LEDは標準的な表面実装パッケージで提供されます。主要寸法(mm単位)には、自動組立に適合するボディサイズとリード間隔が含まれます。レンズはウォータークリアで、内部吸収を最小限に抑えることで光出力を最大化します。
4.2 極性識別とパッド設計
カソードは通常、パッケージ上にマーキングされています。データシートには、信頼性の高いはんだ接合、適切な位置合わせ、およびリフローはんだ付け中の十分な熱緩和を確保するための推奨はんだ付けパッド寸法が含まれています。
4.3 テープおよびリールパッケージング
部品は、7インチ(178mm)直径のリールに巻かれた8mmテープ上で供給されます。各リールには3000個が含まれます。このパッケージングはANSI/EIA 481-1-A-1994規格に準拠しており、標準的な自動供給装置との互換性を確保しています。テープはトップカバーを使用して空きポケットを密封し、部品の向きを維持します。
5. はんだ付けおよび組立ガイドライン
5.1 リフローはんだ付け条件
このLEDは鉛フリーはんだ付けプロセスに適合しています。推奨プロファイルは、赤外線またはウェーブはんだ付けでは260°Cで5秒間、気相はんだ付けでは215°Cで3分間がピークです。過度の熱応力によるエポキシレンズや内部ワイヤボンドの損傷を避けるために、これらの熱プロファイルに従うことが重要です。
5.2 洗浄
はんだ付け後の洗浄が必要な場合は、指定された溶剤のみを使用してください。データシートでは、LEDを常温のエチルアルコールまたはイソプロピルアルコールに1分未満浸漬することを推奨しています。指定外または強力な化学薬品を使用すると、プラスチックパッケージが損傷し、ひび割れや変色を引き起こす可能性があります。
5.3 保管条件
部品は、湿気吸収を防ぐために、-55°Cから+85°Cの温度範囲で低湿度の状態で、元の防湿バッグに保管する必要があります。湿気吸収は、リフローはんだ付け中にポップコーン現象を引き起こす可能性があります。
6. アプリケーション提案および設計上の考慮事項
6.1 代表的なアプリケーション回路
最も一般的な駆動方法は、単純な直列抵抗です。抵抗値(R)はオームの法則を使用して計算されます:R = (Vcc - VF) / IF。ここで、Vccは電源電圧、VFはLED順方向電圧(設計マージンとして2.4Vを使用)、IFは所望の順方向電流(例:20mA)です。5V電源の場合:R = (5 - 2.4) / 0.02 = 130オーム。標準の130または150オームの抵抗が適しています。一定範囲の電源電圧または温度にわたって一定の明るさを得るには、定電流ドライバが推奨されます。
6.2 熱管理
電力損失は低い(最大75mW)ですが、特に高温環境または最大電流付近で動作する場合、長寿命と安定した性能のためには適切な熱設計が依然として重要です。PCBが、LEDの熱放散パッド(該当する場合)またはリードに接続された十分な銅面積を持ち、ヒートシンクとして機能することを確認してください。25°Cを超える場合の電流ディレーティングガイドライン0.4 mA/°Cに従ってください。
6.3 光学的考慮事項
広い130度の指向角により、このLEDはインジケータを広い範囲の位置から見る必要があるアプリケーションに理想的です。より指向性のある光が必要な場合は、外部レンズやライトパイプを使用できます。ウォータークリアレンズは可能な限り高い光出力を提供しますが、明るい点光源として見える場合があります。より均一な外観が望ましい場合は、他のバリエーションで拡散レンズが利用可能です。
7. 技術比較および差別化
LTST-C150KEKTの主な差別化要因は、そのAlInGaP技術と高輝度です。従来のGaAsP(ガリウムヒ素リン)赤色LEDと比較して、AlInGaPは著しく高い発光効率を提供し、同じ電気入力電力に対してより多くの光出力を意味します。また、高温下でも色と強度をより良く維持します。広い指向角と自動化された高温はんだ付けプロセスとの互換性により、大量生産される電子機器のための現代的で費用対効果の高い選択肢となっています。
8. よくある質問(FAQ)
Q: このLEDを3.3Vのマイクロコントローラピンから直接駆動できますか?
A: 可能ですが、ピンの電流供給能力に依存します。LEDのVFは約2.4Vであるため、3.3Vでは電流制限抵抗にかかる電圧は0.9Vのみです。20mAを達成するには、抵抗は45オーム(0.9V/0.02A)である必要があります。マイクロコントローラピンが20mAを供給できるか確認してください。バッファトランジスタを使用する方が、より安全で信頼性の高い解決策となることがよくあります。
Q: ピーク波長と主波長の違いは何ですか?
A: ピーク波長は、発光スペクトルの物理的なピークです。主波長は、知覚される色に最もよく一致する、人間の色知覚(CIEチャート)に基づく計算値です。それらはしばしば近い値ですが、特にスペクトルが完全に対称でない場合は同一ではありません。
Q: データシートの代表値をどのように解釈すればよいですか?
A: 代表値は、指定された条件下での最も一般的または期待される性能を表します。保証値ではありません。設計目的では、すべての可能な部品バリエーションにわたって回路が正しく機能することを保証するために、常に最小および最大の限界値を使用してください。
9. 実用的な設計および使用例
例1: 電源のステータスインジケータ:LEDを150オームの抵抗と直列に接続し、5Vレールに接続します。その高輝度により、明るい環境でも明確な視認性を確保します。広い指向角により、ラック内やベンチ上で様々な角度からステータスを見ることができます。
例2: メンブレンスイッチパネルのバックライト:複数のLEDを半透明パネルの背後に配置できます。一貫した色(624 nm主波長)と輝度により、均一な照明を確保します。リフローはんだ付けとの互換性により、すべてのLEDおよび他のSMD部品を一度の工程ではんだ付けでき、組立コストを削減します。
10. 動作原理の紹介
LEDは半導体ダイオードです。PN接合に順方向電圧が印加されると、N型材料からの電子が活性領域でP型材料からの正孔と再結合します。この再結合により、エネルギーが光子(光)の形で放出されます。光の特定の波長(色)は、半導体材料のバンドギャップエネルギーによって決定されます。AlInGaPは、赤、オレンジ、黄色の光に対応するバンドギャップを持っています。ウォータークリアエポキシパッケージはレンズとして機能し、光出力を形成し、繊細な半導体チップを保護します。
11. 技術トレンド
このようなインジケータLEDのトレンドは、より高い効率(ワット当たりのルーメン)に向かっており、より低い電流で同じ明るさを実現し、電力を節約し発熱を低減します。また、光学的性能を維持または向上させながら小型化に向けた動きもあります。さらに、自動車および産業用温度範囲に対する強化された信頼性と広範な適合性が共通の目標です。AlInGaPのような材料の使用は、従来の効率の低い技術から、標準パッケージでより良い性能を提供するための継続的な移行を表しています。
LED仕様用語集
LED技術用語の完全な説明
光電性能
| 用語 | 単位/表示 | 簡単な説明 | なぜ重要か |
|---|---|---|---|
| 発光効率 | lm/W (ルーメン毎ワット) | 電力ワット当たりの光出力、高いほどエネルギー効率が良い。 | エネルギー効率等級と電気コストを直接決定する。 |
| 光束 | lm (ルーメン) | 光源から発せられる全光量、一般に「明るさ」と呼ばれる。 | 光が十分に明るいかどうかを決定する。 |
| 視野角 | ° (度)、例:120° | 光強度が半分になる角度、ビーム幅を決定する。 | 照明範囲と均一性に影響する。 |
| 色温度 | K (ケルビン)、例:2700K/6500K | 光の暖かさ/冷たさ、低い値は黄色がかった/暖かい、高い値は白っぽい/冷たい。 | 照明の雰囲気と適切なシナリオを決定する。 |
| 演色性指数 | 無次元、0–100 | 物体の色を正確に再現する能力、Ra≥80は良好。 | 色の真実性に影響し、ショッピングモール、美術館などの高要求場所で使用される。 |
| 色差許容差 | マクアダム楕円ステップ、例:「5ステップ」 | 色の一貫性指標、ステップが小さいほど色の一貫性が高い。 | 同じロットのLED全体で均一な色を保証する。 |
| 主波長 | nm (ナノメートル)、例:620nm (赤) | カラーLEDの色に対応する波長。 | 赤、黄、緑の単色LEDの色相を決定する。 |
| 分光分布 | 波長 vs 強度曲線 | 波長全体の強度分布を示す。 | 演色性と色品質に影響する。 |
電気パラメータ
| 用語 | 記号 | 簡単な説明 | 設計上の考慮事項 |
|---|---|---|---|
| 順電圧 | Vf | LEDを点灯するための最小電圧、「始動閾値」のようなもの。 | ドライバ電圧は≥Vfでなければならず、直列LEDの場合は電圧が加算される。 |
| 順電流 | If | LEDの正常動作のための電流値。 | 通常は定電流駆動、電流が明るさと寿命を決定する。 |
| 最大パルス電流 | Ifp | 短時間耐えられるピーク電流、調光やフラッシュに使用される。 | パルス幅とデューティサイクルは損傷を避けるために厳密に制御する必要がある。 |
| 逆電圧 | Vr | LEDが耐えられる最大逆電圧、それを超えると破壊される可能性がある。 | 回路は逆接続や電圧スパイクを防ぐ必要がある。 |
| 熱抵抗 | Rth (°C/W) | チップからはんだへの熱伝達抵抗、低いほど良い。 | 高い熱抵抗はより強力な放熱を必要とする。 |
| ESD耐性 | V (HBM)、例:1000V | 静電気放電に耐える能力、高いほど脆弱性が低い。 | 生産時には帯電防止対策が必要、特に敏感なLEDには。 |
熱管理と信頼性
| 用語 | 主要指標 | 簡単な説明 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 接合温度 | Tj (°C) | LEDチップ内部の実際の動作温度。 | 10°Cの低下ごとに寿命が2倍になる可能性がある;高すぎると光衰、色ずれを引き起こす。 |
| 光束減衰 | L70 / L80 (時間) | 明るさが初期の70%または80%に低下するまでの時間。 | LEDの「サービス寿命」を直接定義する。 |
| 光束維持率 | % (例:70%) | 時間経過後に残った明るさの割合。 | 長期使用における明るさの保持能力を示す。 |
| 色ずれ | Δu′v′またはマクアダム楕円 | 使用中の色変化の程度。 | 照明シーンでの色の一貫性に影響する。 |
| 熱劣化 | 材料劣化 | 長期的な高温による劣化。 | 明るさ低下、色変化、または開放回路故障を引き起こす可能性がある。 |
パッケージングと材料
| 用語 | 一般的な種類 | 簡単な説明 | 特徴と応用 |
|---|---|---|---|
| パッケージタイプ | EMC、PPA、セラミック | チップを保護し、光学的/熱的インターフェースを提供するハウジング材料。 | EMC:耐熱性が良く、低コスト;セラミック:放熱性が良く、寿命が長い。 |
| チップ構造 | フロント、フリップチップ | チップ電極配置。 | フリップチップ:放熱性が良く、効率が高い、高電力用。 |
| 蛍光体コーティング | YAG、珪酸塩、窒化物 | 青チップを覆い、一部を黄/赤に変換し、白に混合する。 | 異なる蛍光体は効率、CCT、CRIに影響する。 |
| レンズ/光学 | フラット、マイクロレンズ、TIR | 光分布を制御する表面の光学構造。 | 視野角と配光曲線を決定する。 |
品質管理とビニング
| 用語 | ビニング内容 | 簡単な説明 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 光束ビン | コード例:2G、2H | 明るさでグループ化され、各グループに最小/最大ルーメン値がある。 | 同じロット内で均一な明るさを保証する。 |
| 電圧ビン | コード例:6W、6X | 順電圧範囲でグループ化される。 | ドライバのマッチングを容易にし、システム効率を向上させる。 |
| 色ビン | 5ステップマクアダム楕円 | 色座標でグループ化され、狭い範囲を保証する。 | 色の一貫性を保証し、器具内の不均一な色を避ける。 |
| CCTビン | 2700K、3000Kなど | CCTでグループ化され、各々に対応する座標範囲がある。 | 異なるシーンのCCT要件を満たす。 |
テストと認証
| 用語 | 標準/試験 | 簡単な説明 | 意義 |
|---|---|---|---|
| LM-80 | 光束維持試験 | 一定温度での長期照明、明るさの減衰を記録する。 | LED寿命の推定に使用される (TM-21と併用)。 |
| TM-21 | 寿命推定標準 | LM-80データに基づいて実際の条件下での寿命を推定する。 | 科学的な寿命予測を提供する。 |
| IESNA | 照明学会 | 光学的、電気的、熱的試験方法を網羅する。 | 業界で認められた試験基盤。 |
| RoHS / REACH | 環境認証 | 有害物質 (鉛、水銀) がないことを保証する。 | 国際的な市場参入要件。 |
| ENERGY STAR / DLC | エネルギー効率認証 | 照明製品のエネルギー効率と性能認証。 | 政府調達、補助金プログラムで使用され、競争力を高める。 |